電気の力で走行可能なハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車でも走行用バッテリーが十分に残っていても、システムが起動しないバッテリー上がりが起きます。
突然のバッテリー上がりに困らないために、バッテリーは定期的な点検と早めの交換がおすすめであり、自分の車のバッテリーの種類を知っておくと便利です。
今回は、バッテリーの種類や見方について、モーターのみで走行可能なハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車の補機バッテリーついて紹介します。
トヨタ系ハイブリッド車用補機バッテリー
プリウスやアクアなどのハイブリッド車のメインバッテリーは基本交換不要です。座席の下でユーザーの手が届かない所にあります。
ハイブリッド車には、ハイブリッドシステムを起動するための補機バッテリーがトランクルームにあります。この補機バッテリーが上がってしまうと、ハイブリッドシステムが起動できません。
車内に設置されることから、内部圧力が測定値を超えるとガスを放出する制御弁式バッテリーが指定されています。
型式例
S 34 B 20 R
S…制御弁式バッテリー、排気構造 Sが付いていれば補機バッテリーでハイブリッド車用
34…バッテリーの性能ランク 補機バッテリーの性能ランクは低いのが特徴
B…バッテリーの短側面の幅と高さ Bなら幅129mm、高さ203mm
20…バッテリーの長側面の長さ 20ならそのまま20cm
R…バッテリーのプラス短側面から見て+端子が右ならR
三菱アウトランダーPHEVの補機バッテリー
三菱のプラグインハイブリッド車アウトランダーの場合、補機バッテリーは荷台カーゴボックス下にあります。
トヨタ系ハイブリッド車同様、ガス抜きホースに対応した制御弁式バッテリーが必須になります。
サイズはS46B24Lで、バッテリー端子が太いため、バッテリー交換の際には変換スペーサーが必要になる場合があります。
日産電気自動車用補機バッテリー
日産の100%電気自動車リーフは、メインバッテリーに加え、通常の車同様、12Vのバッテリーが搭載されています。
リーフの場合、バッテリーはフロントボンネット内にあり、トヨタのハイブリッド車のように制御弁式バッテリーは不要で、通常の充電制御車用バッテリーで大丈夫です。
標準バッテリーは46B24Lです。しかし交換時には、容量が大きい80B24Lを推奨しています。
軽自動車規格の電気自動車サクラもフロントボンネット内にバッテリーがあります。
サイズはK-42でアイドリングストップ車のバッテリーが搭載可能です。
日産e-POWER車用補機バッテリー
日産のガソリンエンジンで発電し、電気のパワーで走行するe-POWERにも通常の車同様、12Vのバッテリーが搭載されています。
e-POWERは、コンパクトカーノートを始め、ミニバンのセレナにも搭載されるなど、電動化を進めています。
ノートはトランクルーム奥、セレナははエンジンルームにあり、通常の充電制御車用バッテリーの使用が可能です。
ノートの場合、国際規格のバッテリーが使用されています。サイズはe-POWER SがLN1で他がLN2です。
セレナの場合は、リーフ同様、標準バッテリーは46B24Lです。しかし交換時には、容量が大きい80B24Lを推奨しています。
テスラモデル3の補機バッテリー
米国の電気自動車テスラの人気モデル、モデル3の場合、補機バッテリーはボンネット内の奥、ワイパー近くの黒い樹脂カバーの中にあります。
バッテリーのサイズは85B24Lで日産リーフとサイズが似ています。
交換の際には、システムと連動しているため、交換の手順に従いましょう。ディーラーにお任せが安心ですが、地方ではテスラディーラーがありません。
信頼できる自動車整備工場に依頼してみるのも手です。
まとめ
ハイブリッド車や電気自動車にも電装系を稼働させるための12V補機バッテリーが装備されます。
メーカーや車種によって補機バッテリーの種類や搭載位置が異なりますので、車種ごとに確認しましょう。
制御弁式バッテリーかどうか確認することが大切です。
バッテリーの型番でサイズや取付位置がわかります。サイズが異なると取付できなることがあるばかりでなく、ガスが充満するなど危険な状態になることもあります。